

口腔機能に問題がなくても、構音障害は起こります。
日本語の子音は、6〜7歳ごろにほぼ完成するといわれています。 それより前の時期に特定の音が出せない、あるいは誤った音で代替してしまう状態が、構音障害として問題になってきます。
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子どもの構音障害は、大きく3つに分類されます。
関連)https://www.noda-dental.com/staffblog/301/
歯科臨床で最も遭遇しやすいのは、器質性と機能性のどちらか、またはその両方が複合しているケースです。 つまり、器質的な問題が機能的な誤学習を引き起こすという流れが存在します。
4〜5歳で多くの音が明瞭になってくるのが正常発達の目安です。 5〜6歳を過ぎても特定の音が直らない場合は、専門機関への受診を勧めるタイミングといえます。
関連)https://www.matsumura-family-dental.com/content/466/
歯科医院では、構音障害の背景にある口腔形態の問題を早期に発見できる立場にあります。これは大きなメリットです。
口腔内で構音障害に関係する主な問題は以下の通りです。
| 口腔内の状態 | 影響する構音 |
|---|---|
| 開咬(前歯が閉じない) | サ行・タ行・ラ行の歪み |
| 上顎前突(出っ歯) | サ行・シャ行・前歯を使う摩擦音 |
| 舌小帯短縮症 | ラ行・タ行・サ行全般 |
| 歯の欠損・位置異常 | 多様な子音全般 |
| 叢生・狭い歯列 | 舌の可動域制限で多音に影響 |
特に見落とされやすいのが、口呼吸と低位舌の組み合わせです。 慢性的な鼻づまりやアデノイド肥大から口呼吸が定着すると、舌が低い位置に固定されやすくなり、それが構音発達に悪影響を及ぼします。
不正咬合(歯並びの乱れ)は子どもの約6割に見られるとも報告されており、単に審美的な問題にとどまらないことが分かります。歯科診療の場は、構音障害の入口になりうるということですね。
関連)https://nagano-forest-dc.com/dental/755/
機能性構音障害は、幼児期に構音を習得する過程で誤った学習(誤学習)が固定してしまった状態です。 原因は完全には解明されていませんが、口腔機能の未発達・聴覚的なフィードバックの問題・環境要因などが複合していると考えられています。
関連)https://stnavi.info/dysphagia/articulation-dysphagia/post-211/
代表的な誤り方として、「はさみ→はしゃみ」のような置換は就学前に自然治癒することが多いとされます。 一方、側音化構音(呼気が側方に漏れ、「き」が「ち」に近く聞こえる)や口蓋化構音は自然治癒しにくく、訓練が必要です。
関連)https://www.takenouchi-ent.com/child
自然治癒しやすいケースとそうでないケースを把握しておくことが基本です。以下の音は特に注意が必要です。
過去5年間の小学1年生の一斉言語検査では、歯間性構音障害が13〜24%に確認されたというデータもあります。 これは決して少ない数字ではありません。日常の歯科受診でも、発音のチェックを意識する価値があります。
関連)https://tokushi.miyakyo-u.ac.jp/pdf-konno-award/mue-tokushi-konnoshou2023_hayasaka.pdf
2018年から保険適用となった「口腔機能発達不全症」は、まだ全ての歯科関係者に浸透しているとはいえない概念です。これが構音障害と深く絡み合っています。
口腔機能発達不全症とは、食べる・飲み込む・話す・鼻で呼吸するといった機能の発達・発育が不十分な状態です。 統計的には3〜5割の子どもに何らかの問題がみられると報告されています。
関連)https://nagano-forest-dc.com/dental/755/
子どもの構音障害と口腔機能発達不全症の関係を整理すると、以下のようになります。
関連)https://sirius-yamanote-dc.jp/20230428-2527/
つまり「むし歯はないから安心」と思っても、口腔機能の問題が見過ごされている可能性があります。これは、現代の歯科における見落としやすい盲点といえます。
口腔機能発達不全症は早期発見・早期介入がカギです。小児歯科での定期健診の際に、発音・嚥下・口唇閉鎖・舌の動きを合わせて評価する習慣が、構音障害の予防につながります。
以下は、口腔機能発達不全症の詳細について解説された参考リンクです。
子どもの口腔機能発達不全症の概要・診断基準・保険適用について詳しく解説されています。
歯科は構音障害の「診断」機関ではありませんが、「気づき」と「つなぎ」の役割を果たせます。早期連携が、その後の訓練効果を大きく左右します。
訓練の開始タイミングは重要です。一般的に言語発達年齢4歳程度以上から構音訓練が開始されます。 就学前に訓練を終えることが理想とされており、機能性構音障害の平均訓練回数は約17回という報告もあります。
関連)https://www.st-medica.com/2018/05/kinoukou-kunnrenn-kaisijiki.html
歯科で対応できる確認ポイントを以下にまとめます。
連携先としては、言語聴覚士(ST)が在籍する耳鼻咽喉科・リハビリ科・専門外来が中心です。 「か行・さ行の構音障害であれば2〜3か月で訓練終了できる場合も多い」と報告されており、早期に専門機関につなぐことで子どもへの負担も軽減できます。
関連)https://www.kenpakusha.co.jp/np/tsukushi/20220901006/
歯科から見た構音障害への対応フローを整理すると以下の通りです。
歯科と言語聴覚士の連携事例・具体的な訓練方法について詳しく解説されています。
歯並びが発音に影響?構音障害の原因と歯科でできるサポート(one-shika.com)
機能性構音障害の種類別特徴・訓練の適応・ST向け解説が充実しています。