

歯科の現場では、診療情報提供書は「紹介状だから保険で出せる」と理解されがちです。ですが実際は、他の医師・歯科医師に対して診療の必要を認めて紹介する文書かどうかで扱いが変わり、三重県医師会は紹介状を診療情報提供料Ⅰの250点、照会状や経過報告書を診療情報連携共有料120点と整理しています。
関連)https://www.hosp.jihs.go.jp/icc/self-paid-fee.pdf
この違いは大きいです。つまり宛先と目的が基本です。
患者負担のイメージも押さえておきたいところです。読売新聞系の解説では、診療情報提供書は2,500円で自己負担3割なら750円とされる一方、保険請求外で発行する場合は2,500円の自費料金表や、医療機関以外への提供を2,750円とする例も確認できます。
同じ「紹介状」という言い方でも、現場では請求の根拠が違います。結論は線引きの確認です。
意外にここが盲点です。
よくある誤解は、「患者に頼まれたらそのまま紹介状として保険で出せる」というものです。ところが京都府保険医協会は、宛名なしの診療情報提供書は保険診療の対象外で、患者から文書料を自費徴収することは可能と明示しています。
関連)https://healthnet.jp/paper/2020-2/paper-26190/paper-26318/
実務ではこの差がそのまま説明コストになります。渋谷のクリニック事例では、紹介先医療機関の宛名ありは250点で3割負担750円、宛名なしは5,500円と案内しており、同じ文書でも数百円と数千円に分かれます。
関連)https://ss-kokoro.com/blog/26-2/
5,500円差は重いです。
さらに、医療機関以外宛ては自費扱いになりやすいです。たとえば仙台のクリニックでは医療機関以外への診療情報提供書を1通5,000円、別の医療機関では2,750円と示しており、金額に幅があるため、あなたの医院でも料金表を先に示すだけで「聞いていない」というクレームを減らしやすくなります。
関連)https://cocoronemuri-nakano.jp/w/wp-content/uploads/document202602-01.pdf
歯科は点数の取り違えが起きやすいです。
三重県医師会の医科歯科連携資料では、他の医師・歯科医師に対して検査・診断・治療などを依頼する紹介状は250点で月1回、病状や治療内容を問い合わせる照会状や経過報告書は120点で3か月に1回とされています。
関連)https://www.hosp.jihs.go.jp/icc/self-paid-fee.pdf
ここを混同しないことですね。
しかも、FAXやE-mailでの情報提供は算定不可と明記されています。紙の文書を整えずに「メールで送っておきます」で済ませると、手間をかけたのに算定できない形になり得るため、受付と歯科医師で送付手段まで共通化しておくのが安全です。
関連)https://chokuan-medical.jp/dwdata/dental/
関連する対策も一つだけ挙げるなら、紹介状テンプレートを院内で1種類に固定する方法です。送付手段のミスを減らす狙いなら、文書作成画面に「FAX不可・E-mail不可」と一言メモするだけでも回避しやすいです。
診療情報提供書の様式参考なら、三重県医師会の医科歯科連携用ページが使えます。
三重県医師会|医科歯科連携用の診療情報提供書について
相場は1つではありません。
検索結果ベースでも、自費の診療情報提供書は2,200円、2,500円、5,000円、5,500円、英語版11,000円など幅があります。国立国際医療研究センター系の料金表では診療情報提供書(英語)が11,000円、歯科医院の案内では自費診療に関わる紹介状作成費用が2,200円、別の公表例では保険請求外の診療情報提供書が2,500円です。
関連)https://dental-kawamoto.com/5021
数字で見ると差はかなり大きいです。つまり一律相場はありません。
だからこそ、患者説明では「相場」より「当院基準」が重要になります。たとえば通常の自費文書は2,500円、医療機関以外は5,000円、英語は11,000円のように用途別に分けると、はがき1枚ほどの文書でもなぜ金額が違うのかを説明しやすくなります。
関連)https://clinic.aozora.cloud/2022-03-18-patient-referral-document/
料金表づくりの場面では、文書の宛先、言語、添付資料の有無で欄を分けるのが有効です。受付説明を短くする狙いなら、受付カウンターとWebサイトの両方に同じ表記を置く方法が候補になります。
見落とされやすいのは「書く前の確認」です。
長野県の資料では、就園・就学先が決まる前は診断書や意見書として自費文書料になり、宛先が学校医など明確になれば診療情報提供書として医療費で出せる場合があると説明されています。しかも診療情報提供料は月1回算定できる一方、宛先や要件が外れると自費負担に戻ります。
関連)https://dental-kawamoto.com/5021
先に宛先確認が条件です。
この考え方は歯科にも応用できます。紹介先の正式名称、担当医名、紹介目的が確定していない段階で作成を始めると、あとから「これは保険で出せません」と説明し直す手間が増えるため、受付問診票に「宛先医療機関名」「担当者名」「使用目的」の3項目を追加するだけでミスを減らせます。
関連)https://healthnet.jp/paper/2020-2/paper-26190/paper-26318/
患者対応の時間を減らすなら、ここが効きます。あなたが忙しい外来の合間に迷わないためにも、文書依頼時の確認フローを1枚にまとめておくのが原則です。