

VE検査(嚥下内視鏡検査)を720点だけ算定していると、本来取れる加算を丸ごと取りこぼして毎月数千円単位の損失が出ています。
嚥下内視鏡検査(VE:Videoendoscopic Evaluation of Swallowing)は、診療報酬上の区分番号「D298-2」に分類され、基本点数は720点です。 患者の自己負担は保険割合によって異なりますが、3割負担の方であれば1回あたり約2,160円相当となります。
関連)https://koba-dent.jp/visit/ve.html
この点数は「医科診療報酬点数表」に基づくもので、歯科単独での算定ではなく医科の区分として設定されている点が重要です。 つまり、歯科医院で算定する場合は医科と歯科の連携や施設基準の確認が欠かせません。
VE検査は内視鏡を鼻から挿入し、食べ物を飲み込む瞬間の咽頭・喉頭の動きをリアルタイムで観察する検査です。 誤嚥の有無、咽頭残留、早期咽頭流入などを直接確認できるため、摂食嚥下リハビリの方針決定に欠かせません。
VE検査でチェックする主な項目:
720点という点数だけ覚えておけばOKです。ただし「加算」や「算定要件」まで把握しているかどうかで、月次の収益に差が出ます。
基本点数720点のほかに、算定できる可能性がある項目があります。見落とすと損です。
まず、胃ろう造設前にVFまたはVEを実施した場合は、検査結果に基づき患者・家族へ情報提供を行うことで追加の算定が認められるケースがあります。 このとき「VE実施者が関連学会の研修を修了していること」が条件として課されています。
関連)https://www.peg.or.jp/ve/text.pdf
次に、同一患者への同一月2回目以降のVE実施は初回720点→2回目以降648点(所定点数の90%)に減算されます。 知らずに2回目も720点で請求すると返戻・査定の原因になります。厳しいところですね。
VE検査との併算定に関する注意点:
関連)http://shirobon.net/qabbs_detail.php?bbs_id=39880
関連)https://www.youtube.com/watch?v=GugTl7OTVFA
関連)https://www.peg.or.jp/ve/text.pdf
VE検査と胃カメラの同日算定については、算定要件を個別に読み込んでから判断するのが基本です。 審査で返戻にならないよう、カルテに検査の目的と適応を明確に記載することが重要です。
関連)https://www.youtube.com/watch?v=GugTl7OTVFA
参考:VE(嚥下内視鏡検査)と胃カメラの併算定に関する実務的なQ&A
内視鏡下嚥下機能検査(VE)と胃カメラの算定について(しろぼんねっとQ&A)
VE検査の点数を算定するには、「研修修了」という条件が存在します。これが意外と見落とされがちです。
具体的には、嚥下内視鏡検査を行う者は関連学会等が開催する所定の研修を修了していることが必要とされています。 研修未修了の状態でVEを実施・算定した場合、審査上で認められない可能性があります。
関連)https://www.peg.or.jp/ve/text.pdf
該当する研修としては日本摂食嚥下リハビリテーション学会や日本耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会が主催するセミナーなどが挙げられます。 参加実績・修了証はカルテや施設記録として保管しておくことが望ましいです。
算定前に確認すべきチェックリスト:
研修修了が条件です。スタッフ異動のたびに修了証の引き継ぎ確認をルーティン化することをお勧めします。
参考:胃ろう造設とVE・VFの算定関係について
嚥下機能評価とVE検査の算定条件(NPO法人PDN)
令和6年度(2024年度)診療報酬改定は、歯科分野において複数の点数変更と新設項目が設けられました。 VE検査(D298-2)の基本点数720点自体は維持されましたが、周辺の加算・関連項目に変更点があります。
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
令和6年度改定で歯科に関係する主な変更点:
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf
関連)https://www.gc.dental/japan/sites/japan.gc.dental/files/documents/2024-09/no190_1.pdf
関連)https://www.gc.dental/japan/sites/japan.gc.dental/files/documents/2024-09/no190_1.pdf
意外ですね。VE検査の点数は据え置きでも、口腔機能関連の算定体系が大きく拡充されました。 これは、嚥下機能評価から口腔機能管理まで一体的に行うことで、より多くの算定機会が生まれることを意味します。
令和6年度改定で新設された「口腔機能管理料」と組み合わせることで、摂食嚥下に課題のある患者への診療報酬をより的確に算定できる体制が整備されました。 VE検査を「嚥下評価のゴール」ではなく、口腔機能管理・リハビリ計画の「スタート地点」として位置づけることが重要です。
関連)https://www.gc.dental/japan/sites/japan.gc.dental/files/documents/2024-09/no190_1.pdf
参考:令和6年度診療報酬改定の歯科に関する概要
令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】(厚生労働省)
VE検査の点数算定だけを意識するのは、実はもったいない使い方です。 検査結果の「見える化」と多職種連携に活かすことで、患者の口腔・嚥下管理の質が劇的に変わります。
VE検査の結果評価には「兵頭スコア」が広く用いられています。 このスコアは、喉頭所見・咽頭反射・食物残留・誤嚥の4項目を0〜3点で評価し、合計0〜12点で嚥下機能のレベルを判定します。
兵頭スコアの概要:
| 評価項目 | 0点(正常) | 3点(最重度) |
|---|---|---|
| 喉頭所見 | 正常 | 高度浮腫・腫脹 |
| 咽頭反射 | 正常 | 消失 |
| 食物残留 | なし | 高度残留 |
| 誤嚥 | なし | 不顕性誤嚥あり |
スコアが高いほど嚥下障害が重篤で、経口摂取の困難さを示します。 このスコアをカルテ・多職種連携シートに記録することで、ST(言語聴覚士)・管理栄養士・看護師との情報共有が円滑になります。
関連)https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/kokushi/drill/11077/
これは使えそうです。VE検査の点数算定だけでなく、スコアの記録と活用が在宅歯科・訪問診療での医科歯科連携の質を高める鍵になります。
訪問歯科においてVEを活用する場合、嚥下機能の診断・必要な歯科治療の決定・食事中の姿勢の決定・誤嚥を防ぐための嚥下方法の確認・口腔ケア方法の確認と、幅広い診療判断に利用できます。 診療報酬の「点数」とあわせて、このような臨床的価値を医師・訪問看護師などと共有することが患者ケアの向上と安定した診療収益につながります。
関連)https://koba-dent.jp/visit/ve.html
参考:訪問歯科における嚥下内視鏡検査(VE)の活用
嚥下内視鏡検査(VE)を訪問歯科で活用する(コバデンタルオフィス)
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 医師 | 検査全体の総括・指示 |
| 看護師 🩺 | 主治医の補助・患者の全身状態管理 |
| 言語聴覚士 | 食事介助・一口量・姿勢調整 |
| 放射線技師 | X線照射の調整・被曝量管理 |
| 管理栄養士 | 模擬食品の準備・食形態選定 |